面白い陰キャラを目指すブログ

面白い陰キャラを目指すという趣旨のブログです。

陰キャラvs初対面の人

キャラは基本的に友達が少ない。
 
当然、俺も陰キャラであるゆえ、友達が極端に少ない。
 
しかし、陰キャラな俺にも一応、友達はいる。今回はそんな俺と、高校時代からの唯一の友達といっていいTくんとの間に起こった、ある騒動のお話だ。
 
これは陰キャラだけでなく、陽キャラの皆にも聞いて欲しい話である。それでは、いってみよう。
 
 
 

▪️陰キャラは何気に人が好き

 
 
それはこないだの水曜の夜のこと。
 
AVを一通り見たあとでAVを反芻してオ◯ニーに励むという、イメージ力を鍛えるための高度な視覚化トレーニングに勤しんでいた俺のもとに、旧友・Tくんからの一通のLINEが届いた。
 
LINEにはこうあった。「今度の土曜、暇?」
 
Tくんは用事がないのにLINEを送ったりはしない人である。「土曜日暇か?」と聞いてきたということは即ち、「土曜日飲みに行こう」と言ってきているのと同義だ。
 
俺は「ひま」とLINEを返す。案の定、すぐにTくんから「飲みに行こうぜ」という旨のLINEが届く。俺は喜んでOKした。
 
なにしろ、Tくんは大学を卒業した後、東京の企業に就職した人だ。(※俺もTくんも大阪の人)直接会う機会が滅多にないので、彼からの「飲み行こうぜ」LINEは本当に嬉しい。
 
ここで少し注意しておきたいのだが、陰キャラは意外と人が好きである。友達付き合いも決して悪くない奴が多い。
 
ただし、陰キャラは自分からは絶対に誘わない。断られるのが怖いからだ。
 
さらに、大抵の陰キャラの脳内には「断られた→嫌われた」に自動変換するツールがデフォルトでインストールされている。「嫌われることを何より恐れて行動せよ。」そしてこれは、陰キャラならば必ず守らねばならない鋼の掟なのだ。
 
ゆえに、陰キャラは自分からは誘わない。誰かと飲みに行きたくとも、自分からは決して誘わず、誰かが誘ってくれるのをじーっと待っている。でも、ほとんどの場合、誰からも誘われない。だって、陰キャラなんだもん。
 
皆、もっと僕を飲みに誘って。(涙目)
 
 
 

▪️陰キャラ流・人と会う前の準備の仕方

 
 
そんなこんなで迎えた土曜の夜。Tくんとの久々の再会ということで、俺はかなり張り切っていた。
 
俺は基本的にお一人様の陰キャラなので、普段、入りたくとも入れない店とか結構ある。「この機会に攻めたれ!」ということで、そんな店をスマホに何軒かメモっておいた。
 
さらに、高校時代から続くTくんとの鉄板の掛け合いも脳内で予習復習済みだ。Tくんお気に入りの、高校時代の面白エピソードもしっかり抑えておいて、ぬかりない。
 
くわえて、Tくんは家庭の事情がちょっと複雑なので、そこは絶対にふれてはならないという約束事を、五体にしっかりと叩き込む。友人だろうがなんだろうが、人に深く干渉してはならないし、人の地雷を踏むことだけは絶対に避けなくてはならない。これもまた、陰キャラの守るべき鋼の掟である。
 
その後、お風呂に入って身を清め、座禅を20分間組んで精神を統一し、中学生の頃おばあちゃんからもらったお守りを装備した上で、いよいよTくんとの邂逅の地、東梅田駅に向かう俺であった。
 
…陰キャラは、友人と飲みに行くのにもこういう準備の仕方をする。
 
陰キャラは、ここまでやる。
 
 

▪️東京は怖いところやで

 
そんなこんなでやってきた東梅田駅だ。
 
大阪人の皆ならご存知の通り、この駅周辺に広がる地下街は大阪随一の規模を誇るばかりでなく、ひたすらにスクラップ・アンド・ビルドを繰り返し膨張する無限生成ダンジョンとしても知られている。
 
「大阪人は梅田の地下街で待ち合わせができるようになって一人前」とは、幼少の頃より何度も聞かされてきた先人の格言だが、俺もこれまでにこのダンジョンで友人と待ち合わせた結果、お互いがお互いの待ってた場所を行きつ戻りつして入れ違いになり続けるというサマルトリア王子状態を何度となく経験している。
 
非・大阪民の皆は軽い気持ちで梅田を待ち合わせの場に使わないよう、くれぐれも注意して欲しい。
 
しかし、俺もTくんもなにしろ生粋の大阪民。アリアドネの糸とかGPS検索とかなしでも、スマートに梅田の地下街で待ち合わすことができる。俺は駅を降りると、高校時代からTくんと何度も待ち合わせた約束の地・泉の広場へ直行した。
 

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(画像は「大阪待ち合わせ場所.com」様より)
 
ここ、泉の広場には、ご覧の通り噴水っぽいモニュメントがある。非常に目立って分かりやすいので、待ち合わせとかには結構よく使われる、大阪っ子にはお馴染みの場所だ。まぁ、幽霊がでるとかなんとか、不穏な噂もあるのだけれど。(興味のある方は是非、調べてみてください)
 
そんな泉の広場に、待ち合わせの5分前にやって来た俺だが、東京にて絶大な社会人力を身につけて帰ってきたTくんは、俺よりもさらに前に到着していたようだ。これが10分前行動というやつか。
 
…だが、そんなTくんを遠目に見ていると、少しおかしなことに気がつく。それが何かというと、
 

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…こんな感じで、明らかにTくんのパーソナルスペースと思われる場所に、見知らぬ人間が立っているのである。
 
……これはもしかして、アレじゃないだろうか。背後霊というやつじゃないだろうか。
 
なにしろ、Tくんは現在、東京住みだ。ものの本で、東京は何気に魔スポットのメッカだという話を読んだことがある。平将門首塚とか、お岩さんの祀られてる神社とか、強烈なパワーを発する魔スポットが東京各所に点在しているようだ。だとしたら、そんな魔スポットに引き寄せられた霊がTくんに憑依し、背後霊となったとしても、おかしくないのではないか。
 
それとも、アレか?これが泉の広場にてあらわれると大阪っ子の間でまことしやかに囁かれる、幽霊ってやつの正体なのか??
 
どちらにせよ、さぁ、これは大変なことになってきた。楽しかるべき飲み会が、一転、ホラームービーの世界に早変わりだ。この事態、おばあちゃんに貰ったお守りじゃちょっと対処できなさそう。
 
 
 

▪️敢然と立ち向かう

 
 
だが、今更逃げ出すわけにはいかない。…ってゆーか、本当は逃げ出したかったけど、なんかTくんの方で俺のことを見つけちゃったみたいだ。
 

Tくん「久しぶりー!」
 

高らかに声をあげながら、手をあげて俺に挨拶をするTくん。こうなったら、俺も陰キャラとは言え一人の大和男子だ。もはや、腹をくくるしかない。
 

俺「ひ、久しぶり……」
 

Tくんに向かって、挨拶をする。すると、Tくんの傍に立つ背後霊も、俺の方を見てにこやかに笑う。
 
…くそぅ。背後霊め。この世のものならぬ忌まわしき霊の分際で、俺とTくんの楽しい再会を邪魔する気だな。俺は奴に対抗するため、心の中で般若心経を唱え始めた。
 
だが、致死説が間違っていたのか、はたまた俺が冒頭の「まーかーはんにゃーはーらーみーたー」のあたりと、最後の「ぎゃーてーぎゃーてーはらぎゃーてー」のあたりしか覚えてなかったからなのか、いずれかは定かでないが、奴は消えない。
 
ならばとばかり、「エロヒムエッサイム」とか「エコエコアザラクエコエコザメラク」とか「くとぅるふふたぐんにゃるらとてっぷ」とか、知ってる限り呪文っぽいものを唱えてみるのだが、奴は一向、消える気配がない。どうやら、相当強力な霊のようだ。
 
「…かくなる上は、このおばあちゃんに貰った御守りを媒介におばあちゃんの霊を口寄せし、シャーマンファイトを…(おばあちゃんは存命)」とか考えていた俺を前にTくんは、その不穏な様子を察知したのか、おもむろに口を開いた。

 
Tくん「あ、今日な、お前と二人で飲むってことやってんけど……」
 

と言い、霊の方をちらりと見る。
 

…やめろ。それ以上は言うな。
 
それは霊なんだ。俺のような、ヴァンパイアハンターを祖先に持つ生粋のエクソシスト(という設定を中学の時考えて悦に浸っていた)ならばいざ知らず、なんら特殊な能力を持たない、Tくんのような人間には見えるはずのないものなんだ。ゆえに、深入りしては、ならない。

 
Tくん「なんか、たまには他のやつおってもいいかなー、と思って…」

 
霊はその存在を指摘された時にはじめて周囲の人間に害を及ぼすんだ。なんか、こないだの『ハンターハンター』にもそんな感じの話あったじゃない?ツチボッコ…クロボッコ…だっけ?まぁTくんは高校生の時からマガジン派だったが…とりあえず、彼の存在を認識するのはやめておけ。マジで。

 
Tくん「今度、俺の友達が大阪に転勤になったって聞いたからさ……」
 

やめろやめろ。その存在を指摘すると、君も霊の世界に引き込まれるぞ。それは霊なんだ。だから俺に紹介とかするな。これは霊だ。霊だ。霊なんだ。
 
っていうかもうむしろ、霊であってください。お願いします。
 
 
 

 
Tくん「おもろいんちゃうかなって思って連れてきた♩俺の大学の時の友達、Wくんです」
 
 
Wくん「初めまして!Tの大学の同期のWです!(爽やかな笑顔)」
 

 
 
 
 
 
 
………こいつ……
 
 
……マジでやりやがった。
 
 
陰キャラ界最大のギルティ、「友人との会合にそいつと面識のない自分の友達を連れてくる」を、マジでやりやがった。
 
 
 
 

 

▪️陽キャラどもよ。貴様らの血は何色だ

 
 
これは、もうあれや。陰キャラ的には、ほんまにもう、心の底からあかんやつや。こういうことを平気でやってくるから、ワイは陽キャラっちゅう奴らがほんまに苦手なんや。
 
…ことわっておくが、Tくんはかなりの陽キャラである。高校時代はクラスの人気者で、親分肌で、困っている人を見過ごせないような懐の深さも併せ持っていた。
 
ゆえにTくんは、クラスに友達がほとんどおらず、孤立しがちであった俺によく声をかけ、一緒にお弁当を食べたり、遊んでくれたりしていたのだ。感謝。
 
しかし、俺は何しろ陰キャラなので、Tくんとは仲良くできても、Tくんの友人とはウマが合わないということがしばしば、というか、めちゃめちゃあった。初めの頃はTくんも、そんな俺に社会適応能力をつけさせるためか、他の友達を何人か呼んで俺を馴染ませようとしてくれたのだが、あまりにも俺が適応できないので、途中からは気を遣ってくれて、二人きりで会うことの方が多くなった。Tくん…どんだけいいやつやねん(涙)
 
だから俺は、だんだんとTくんが陽キャラであるという事実を忘れて、Tくんと交流するようになっていったのだが…俺の神経が完全に油断しきったここに来て、まさかの事態である。事前の連絡一切なしで、飲みの席に知らない奴を投入するという、悪行超人も真っ青のルール無用の残虐ファイトが陰キャラ・俺に炸裂だ。これはリカバリーが難しい。今日の飲み会、楽しめる気がまるでしない。
 
そして、Tくんに連れられてやってきたWくん。彼も彼である。
 
「今度友達と飲みに行くんだけど、君も来ない?」とか言われた場合、その友達が面識のない人だったら、普通は断る。陰キャラ的に、100%断る。
 
初対面の人との重苦しい空気、エピソードトークをいちいち説明してもらいながら聞くきまずさ、そして、乾杯の時にどっちがグラスを下から出すか合戦。全てが、苦痛だ。陰キャラ的に、それはもう楽しい飲みなんかじゃなく、修行の場といっても過言ではない。そんな場所に好んで列席するなんて…Wくん、君はバトル漫画の主人公か。
 
本当に、こういうことは今後一切、やめて欲しいものである。
 
人によっては「出会いが増えていいじゃん♩」とか思うかもしれないが、俺的に20代半ばを過ぎてやたら「出会い」を大切にしたがる人間にはどこか胡散くさいイメージがつきまとう。具体的に言うと、ネットワークビジネスの香りがする。すげぇする。(あくまでも個人の感想です)
 
世界は、陽キャラだけでできてはいない。陰キャラだって、人間だ。人嫌いの陰キャラに、スプーン一杯の思いやりの心を持てるようになることが、真にイケてる陽キャラへの第一歩になるのではないだろうか。
 
陽キャラのみんな、陰キャラのこともちゃんと気にしてあげて(涙目)
 
 
 

▪️ちなみに飲みはどうだったのか

 
Wくんは、かなり爽やかな印象の好青年だった。こういうタイプを俺は一方的にひっそりと敵対視しているので、なかなか会話に入っていくのが難しかった。店に着くまでは人見知り全開モードでほとんど何も話さなかったが、席に着いてからはもう、やるしかねぇとばかり飲んだ。飲みまくった。酒の力を頼りに、この気まずい場所をやり過ごすのだ。
 
そして気がつくと、俺は公園のベンチで、ZIMAの空き瓶を抱えて一人で寝ていた。…どうやら、危機は去ったらしい。終電はとっくになくなっていたので、俺は家まで一時間くらいかけて、ぽくぽく歩いて帰った。
 
会話の内容はほとんど覚えていないが、非・大阪民であるWくんに対して、Tくんと二人で大阪流のツッコミのタイミングや、初心者が対応し辛いぼそぼそ喋るタイプのボケへの対策などをレクチャーして笑いをとっていた記憶がある。
 
なんか粗相しなかったかな?と不安だったので、後にTくん自身にLINEで聞いたところによると、「飯屋に着くまではほとんど喋らんかったから大丈夫かな、って思ったけど、酒入ってからはめっちゃ楽しそうに喋ってたでー笑」…ということらしい。本当か嘘かはわからないが、Wくんも非常に楽しんで帰ってくれたようだ。
 
 
はぁ……よかった。楽しんでくれて……
 
 
ってこれじゃあ、接待のノリじゃないか(泣)
 
 
というわけで、飲みの席に知らない人を連れてくることだけは、本当に本当にやめましょう。
 
 
 
 
陰キャラ的・本記事への自己評価
★★★☆☆( 3 / 5 )「なかなか怨みがこもっていてよろしい。」
 
陰キャラはよく自己評価をする。他の人間が一切評価してくれないから、自分で自分を評価するしかないのだ。
 
 
実話をもとにしたメッセージ性の強い記事だ。結構、楽しく書けた。飲み会の内容をもっと掘り下げることができれば良かったのだが、何しろ喋るためにマジでべろんべろんに酔っ払ったので、あまり覚えておらず、書くことがない…
 
ちなみに、その後「発言小町」とかで調べたところ、9割くらいの人がこのような案件に対して不快感を抱いていた。本記事はブログの趣旨的に、「陰キャラvs陽キャラ」という対立構造をとってはいるものの、考えてみれば、友人と会う際に知らない人がいたら気を遣うし気まずいのは誰にとっても当たり前のこと。この感覚は、陰キャラ陽キャラ問わず普遍的なものなのだろう。